フルアコベース完成
長かった~やっと完成しました。

20年以上前に作ってもらったフルアコベースを、今の自分が使いたい音に合わせて大改造。
なんとか「きずだらけ」のレコーディングにも間に合わせることができました。
2003年、工房Sonidoで作った一本
このベースを作ってもらったのは、2003年8月。
現状とはだいぶ雰囲気が違います。

当時、僕のところの作業場の一角にあった「工房Sonido」で製作してもらいました。
代表の山本さんは昭和11年生まれ。
なんと、僕の父親の一つ下です。汗
今でも少しずつ楽器を作っているそうです。
このベースの仕様は、
- バック、サイド:マホガニーブロック削り出し
- トップ:スプルース、アーチトップ削り出し
- ネック:メイプル
- 指板:ハカランダ
- フレットレス仕様
- ヘッド:小坂彫房 二代 小坂礼之氏による一刀彫



という、なかなか贅沢な一本です。
もともとはナチュラルカラーで、フレットも打ってありました。
ピックアップはフローティングタイプのマグネットが一発。
ピックガードにボリュームを一つ付けた、シンプルな仕様でした。
ところが当時の僕のニュアンスでは、どうしてもこのベースを使いこなせない。
そこで最初の改造。
山本さんにフレットを抜いてもらい、フレットレスにしました。
そして、事件が起きる
フレットレスにして、ライブで一度使ったのですが……
なんと、ベースを倒してしまいました。
その衝撃でネックジョイントが浮いてしまい、応急処置で修理。
一応使えるようにはなったものの、そこから使用頻度はどんどん減っていきました。
そして気がつけば……
約15年間、ほぼ眠ったまま。
楽器としては、かなり長い冬眠です。
JAZZをやりたくなって、再び復活
そんなベースを、もう一度使おうと思ったきっかけは、
「JAZZっぽい曲がやりたい」
と思ったこと。
だったら、自分で今の音に合わせて作り直してみよう。
まずはネックを外して修正。
そして再セットアップ。
さらに、もともとのナチュラルカラーがどうもしっくりこなかったので、思い切って再塗装しました。
20年以上前の楽器なので、すでに十分なビンテージ感があります。
傷も含めて、もう新品には戻れません。
でも、それがいい。
マグネット+ピエゾに

音の問題もありました。
フロントのマグネットピックアップだけだと、どうしても音がボワつく。
そこで、ブリッジ側にピエゾピックアップを仕込むことにしました。
ブリッジは、アジャスター付きのものを黒檀から削り出して製作。
そしてライブで使いやすくするために、マグネットとピエゾをブレンドできるプリアンプを内蔵することにしました。
ここからが、ちょっと大変。
僕は電気回路については、ほぼほぼ素人です。
最初は既製品を探して取り付けようと思ったのですが……
これが、どれだけ探しても見つからない。
仕方がない。
Geminiに相談しながら回路を考えました。
今回の回路図も添付しています。
そして、もう一つこだわったのが電源。
ライブ中に電池が切れた!
……となっても、特殊な電池を探し回りたくない。
そこで、コンビニでも手に入る単3電池で動かせる仕様にしました。
基板まで作る

ベースの中に仕込むので、プリアンプの基板もできるだけ小さく。
ところが、ベース内部にはブレーシングがあります。
これが結構なクセ者。
基板、電池ボックス、配線……
限られたスペースの中に全部収めなければいけません。
電池ボックスを入れたら、配置がかなりシビアになりました。
「ここしか入らん!」
という場所を探しながら、なんとか収まりました。

完成後のコントロールは、
左上:ボリューム
左下:ブレンダー
右上:トレブル
右下:ベース
という4つのノブ。
マグネットとピエゾを混ぜながら、自分が欲しい音を作れるようになりました。
20年以上の時間が作ったもの
2003年に作ってもらったベース。
一度フレットを抜き、ライブで倒し、ネックを修理し、15年ほど眠り……
そして今回、再び自分の手で蘇らせました。
新品のようなピカピカの楽器ではありません。
傷もある。
塗装も年季が入っている。
でも、20年以上の時間を一緒に過ごしてきた楽器には、新品にはないものがあります。
ちょっと言い方を変えれば……
「傷だらけのベース」ではなく、
「歴史だらけのベース」です。
そして何より嬉しいのは、今回のLOW-4の「きずだらけ」のレコーディングに間に合ったこと。
20年以上前に生まれたベースが、2026年になってまた音を出している。
楽器って、面白いですね。
さて、このベース。
これから何年使えるかな。
たぶん、僕より長生きするでしょう。笑


